BOPハウスプロジェクト
~BOP(Base Of the economic Pyramid)~
世界には1日1.9ドル未満で生活している貧困層が約7億万人います
世界の貧困の現状
今日、世界の貧困層の数は20年前に比べると大幅に減りましたが、未だ深刻な状態が続いています。
2015 年に改定された1日1.90ドルの「国際貧困ライン」に沿うと、1990年は36%(18億9,500万人)、2015年は10%(7億3,600万人)でした。
地域別で見ると、この極度の貧困層の85%は南アジア地域とサブサハラ・アフリカ地域に分布しており、
そのうちの半数は、わずか5カ国に集中していました。
この5カ国は、バングラデシュ、インド、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、エチオピアです。
(出典:The world bank)
バングラデシュのスラム・貧困地域
BOP ~Base Of the economic Pyramid~
このBOPハウスプロジェクトは
バングラデシュから着手し
その後他のアジア、アフリカへと展開して行きます
BOPハウス 挑戦への物語
●当社の業務
当社AWINGグループは、約10年間インドネシアとバングラデシュで
主に再生可能エネルギー、廃棄物処理、コンサルティング業務に従事し、
小型風力発電機をアジア・アフリカで21か国に設置した実績があり、
これまでの活動で構築した現地政府機関とのコネクションを活かし
日本企業の海外進出支援などを行ってきました。
●BOPハウス挑戦の経緯
当社のこれまでの活動の中で、バングラデシュで学校に通えず道端でライターの修理をしながら家計の支えとなっている子供たちを目の当たりにしてきました。彼らは、貧困のために学校に通えず毎日路上に出て1日中行き交う人から頼まれるライターの修理をして安い賃金をもらい、そのわずかな賃金さえも家計の足しにしていました。
子供は学校に通えず読み書きを習得出来ないため、大人になっても良い仕事に就けず、安定した収入を得られません。また、彼らは雨風を凌ぐだけのトタンや竹で出来た簡易な家に住んでいるため、自然災害があると簡単に住む家を失ってしまいます。(2019年に起きた首都ダッカにあるスラムの火災では、2,000戸以上の家が焼失し、1万人以上の人々が家を失いました。(出典:CNNニュース)。)さらに、貧困は栄養状態にも直結するため健康上の問題も引き起こします。
このような貧困のスパイラルから抜け出すためには、まず安全な家と定職を持つことが重要であると考え、我々はこのBOPハウスプロジェクトで住宅の供給と雇用を創出し、雇用をしながらマネジメント教育も行い、彼らの自立を支援します。
ターゲット層は、スラムに住む人々や月収100ドル以下の最低所得者層の人々で、彼らが定職に就き自分の家を持つことができるようにするプロジェクトです。
我々のミッション
スラムからの脱却と自立を支援する
バングラデシュ及びアジア・アフリカ地域の貧困層の住民が30万円で購入できる広さ30㎡の住宅供給事業の創設。
スラム・貧困層からの脱却を目指し、そのきっかけを住宅供給と雇用を生み出すことで寄与する。
スラムに住む人々や貧困層の人々が安全で自立した生活が出来るようになるためには、一時的な経済支援ではなく、雇用を生み自立を促すことが重要である。当社のBOPハウスプロジェクトは、まさに住宅の供給と就労の支援を軸にする活動で、一時的な支援ではなく継続的に自立が出来るようにするものである。
市 場 性
バングラデシュ貧困の現状
このBOPハウスプロジェクトでは
スラム居住者223万人のうち少なくとも10% に住宅を提供する予定です
これは、25万人または62,500世帯に相当し 1つの世帯単位が3,000ドルの場合 約2億ドルの市場になり BOPハウスは1,250棟に相当します
(出典: 2019年 バングラデシュ統計局(BBS)
BOPハウスとは?
30万円・30㎡の住宅(通称BOPハウス)
~CO2ゼロエミッションハウス~を目指す
再生可能エネルギーを使用して環境に配慮した耐久年数30年5階建ての集合住宅
(1棟48室、1部屋30㎡、売価30万円)
*電気は太陽光発電を利用
*ガスは汚物から得たメタンガスを利用
*建材は生活ゴミや籾殻を活用した建材パネルを利用
*水は雨水を浄化して生活用水として利用
住宅のデザインと生活ゴミなどから作る建材の研究は、現在インドネシアバンドン工科大学と共同で開発中。
断熱材、コスト低減、軽量化、大量生産などをテーマに実現性を検討してる。
雇用の創出・安定化・技術支援
当社AWINGグループが下記①-③を事業化して行く過程で雇用を創出し、BOPハウスへ入居する人々を優先的に雇用する。
安定した雇用契約の下、技術の習得もサポートしさらに工場マネジメントなどのスキルアップ教育も並行して行い、次なるステップへの道筋をサポートする。
現在バングラデシュは、人口の増加、経済発展に伴いゴミ問題を抱えており
下記事業はバングラデシュが抱える問題解決に寄与できると考え、下記事業を行う。
① フードデリバリー(JAPAX)
スマホアプリやインターネットから注文をもらい、飲食店でお客様の注文した料理をピックアップして
配達員として安全、迅速に料理をデリバリーします。安全運転や、サービスのトレーニング、
インターネットの使い方を教育し、安全に運転するスキルや、おもてなしのサービスを学びます。
ここで習得したスキルを活かして、将来はタクシー、バスの運転手やサービス業として働くことができ
自立支援に繋がります。
② 生ごみ処理施設(Biomagg工場)
新興国において、大量に発生している生ごみ問題の緩和策として、地域に存在するアブ科のBSF(ブラックソルジャーフライ)の幼虫(=maggot)に生ゴミを食べさせて、その排泄物は農業用の堆肥に利用したり、畜産・養殖業向け飼料の原料にする。
生ごみを食べて育った幼虫は大量のアミノ酸を含んでいるので、BSFのライフサイクルを活用して育てた野菜や魚・肉は、良質なタンパク質やミネラルを多く含み、貧困層の人々の栄養改善に寄与する。
●マゴット(BSFの幼虫)
卵100gから生まれるマゴット(BSFの幼虫)が毎日1tonの食品(有機物)を餌として食べ、タンパク質を体内に溜め込む
●一般のアブとBSFの違い
・病原菌を持たないので、伝染病がない
・臭いがない
Biomaggの工程
Biomaggの役割
① 分別
② 破砕
③ 処理
④ 選別
⑤ 肥料
飼料
アプリ画面
③ 建材工場
建材を生活ゴミやトウモロコシの殻などを活用して作る理由として
Ⅰ.世界中どこでも同じ条件でさらに安価で大量生産できる
Ⅱ.人口増加により、生活ゴミが増え続けゴミ処理問題を抱えている社会背景があり、生活ゴミを活用して建材を作ることで、ゴミを削減できる
Ⅲ.バングラデシュはトウモロコシが多く生産されていて、毎年トウモロコシの殻が大量に廃棄されている現状があり、今ある資源を使い有効活用することで無駄な廃棄物を削減できる
●新建材の開発に向けた取り組み ~現在の研究の様子~
プラスチックと籾殻を利用した建材の開発 2020年8月現在
1⃣
プラスチックリサイクル工場から原料となるプラスチックの調達
細かく裁断したプラスチック
水分を減らすために天日干しして乾燥させています
2⃣
コンクリートの可塑剤となる籾殻の調達
籾殻からコンクリート可塑剤を作りました
5%~30% プラスチックをミックスしてコンクリートを作っています
プラスチックを細かく裁断して、天日干しして乾燥させたものです
籾殻の可塑剤にプラスチックとコンクリートを混ぜ合わせます
混ぜ合わさったコンクリート
型に入れて固めたプラスチックミックスのコンクリート
バンドン工科大学の研究開発チーム
コンクリートの強度実験風景
低所得者を対象とした住宅ローンの取り組み
・雇用による収入の安定
毎月最低賃金以上の給与を保証することで、銀行で住宅ローン(10年)を組むことが可能になる
・住宅ローンの応援
住民は毎月25ドルの住宅ローンを支払い、利息は利子補給でまかなえるようにし、本人負担を軽減する
このようなスキームにより、貧困層の人々でも定職と自分の住宅を得ることが可能になる
BOPハウスプロジェクトに一緒に参加してくださる方、参加企業はぜひこちらまで!